2021年11月22日

Inter BEE 2021
ライブ制作 IP化が加速 制作現場の選択肢が拡大
各社からSaaSソリューション クラウド上で一連の機能提供

 2019年以来、2年ぶりのリアル開催となったInter BEE 2021(主催=電子情報技術産業協会/11月17-19日、千葉・幕張メッセ)の機器展示(講演・セッションはオンラインで実施)。出展社の減少から、規模こそ縮小されたものの、会場は多くの参加者で賑い、活気が感じられた。こうした中で焦点となったのが、ライブ映像制作におけるIP化、リモートプロダクション、クラウドサービスの進展。テレビ番組、映像コンテンツ制作現場のDXへのニーズを背景に、システムの選択肢が一気に拡大した。〈続きは本紙で〉

2021年11月22日号 主な記事

 ●Inter BEE 2021レポート
 ●フェローズが新卒紹介サービスを開始
 ●民間放送70周年記念大会が開催「環境の変化に積極的対応」
 ●シャープ/8K文化財鑑賞ソリューションで仏像の高精細3D画像を東京国立博物館で公開

放送

● 民間放送70周年記念全国大会が開催 「変える勇気」と「守る勇気」で前進

プロダクション

● 学生の就活を無料で支援 新卒紹介サービスを開始 企業には完全報酬型で提供
● 映像スクールを渋谷に開校 プロの制作者を短期間で育成/Vook

プロ機器

● ライブ制作 IP化が加速 制作現場の選択肢が拡大/Inter BEE 2021
● PMCの新ニア・ミッドフィールドモニター発売/オタリテック
● Inter BEE 2021 レポート
・KAIROSでの遠隔制作を訴求 22年春からクラウドサービスも開始/パナソニック
・「M2 Live」を発表 クラウドベースのライブ中継 AWSとの協業で映像制作をDX/ソニー

ディスプレー/大型映像

● 8K文化財鑑賞ソリューション 仏像3体の高精細3D画像 東京国立博物館で公開/シャープ
● 彩の国東大宮メディカルセンター 大型マルチビジョン稼働 病院利用者向けに情報提供
● サイン&ディスプレイショウ 桜井が大型ディスプレー AOTO製LEDを主力に展示
● コニカミノルタプラネタリウム 「満天NAGOYA」をオープン
● 名古屋に新イオンモール 東海地区初のスマートストア 店内16カ所にサイネージ設置

映画/番組/CM

● 映画「ファイター、北からの挑戦者」 北朝鮮を逃れた1人の女性の新たな人生

総合

● 21年度第2四半期の決算説明会を開く 宇宙事業は増益堅持/スカパーJSAT

● 廉価にサービスの提供が可能に 5Gで固定無線アクセス

イベント一覧

● 民放連賞

・テレビ部門 東海テレビがグランプリ ラジオ部門大賞は文化放送
日本民間放送連盟賞は、グランプリ・準グランプリが以下のとおり発表・表彰された。
【ラジオ部門】▽グランプリ] =文化放送『文化放送戦後75周年スペシャル 封印された真実~軍属ラジオ』▽準グランプリ=ニッポン放送『サンドウィッチマンのオールナイトニッポン』
【テレビ部門】▽グランプリ=東海テレビ放送『チョコレートな人々』▽準グランプリ=静岡放送『おひさま家族~りんくん一家の17年』
グランプリ、準グランプリと全部門・種目の最優秀受賞者には、報奨金(テレビ グランプリ1000万円、準グランプリ500万円、ラジオ グランプリ300万円、準グランプリ150万円、最優秀50万円)が授与された。
グランプリ、準グランプリ受賞作品番組は、原則として受賞後3カ月以内に全国向け再放送を実施する。
―――
・技術部門最優秀賞 フジの「災害情報カメラ収録システム」が受賞
日本民間放送連盟賞の技術部門では、フジテレビジョンの「災害情報カメラ収録システム『TOREZO』の開発 ~日本全国に広がる情報カメラ映像の自動送出を実現」が最優秀賞を受賞している。
同部門優秀賞は次のとおり。
▽TBSテレビ:コンテンツ制作に特化した多人数リモート出演システム「TBS BELL」の開発▽TBSテレビ:地上波ニュース番組へ『ひとり』で『正確な』生放送字幕を付与!『もじぱ』▽日本テレビ放送網:クラウドプレイアウトを用いた日テレ系ライブ配信システムの開発▽テレビ朝日:オンラインファイルベースシステムの開発で実現した時間軸とロケーションからの解放▽フジテレビジョン:「超逆境クイズバトル!!99人の壁」リモート収録システムの開発▽山口放送:FM回り込みキャンセラーおよび混信波除去装置の開発/技術奨励賞▽南海放送:ラジオOTC送出システムの開発


● 映文連アワード2021 表彰式の模様を配信 11月29日に開催

映像文化製作者連盟(映文連)は、「映文連アワード2021」の表彰式を11月29日午後1時30分から東京・六本木の国立新美術館講堂で開く。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、一般の入場はできず、表彰式の模様は日経チャンネル(channel.nikkei.co.jp)で配信する。
今年度は3部門合わせて146作品の応募があり、そこから計32作品の各賞受賞が決定している。


● 「地方の時代」映像祭2021

・岡山放送がグランプリ 各部門の優秀賞をなど発表
第41回「地方の時代」映像祭2021(主催=吹田市、関西大学、NHK、日本民間放送連盟、日本ケーブルテレビ連盟)が11月13-19日に大阪府吹田市の関西大学千里山キャンパスで実施された。13日には「地方の時代」映像祭コンクール贈賞式が開かれ、「グランプリ」「優秀賞」「選奨」「奨励賞」の各賞を発表した。
今年は新型コロナ感染予防のため、贈賞式は受賞者および関係者の限定開催とし、14日以降の上映会は一般公開した。
グランプリおよび各部門の優秀賞は次のとおり(「選奨」「奨励賞」は除く)。
★グランプリ
忘れてはいけないこと~認知症受刑者が問いかけるもの~(岡山放送)=放送局部門/優秀賞
◆放送局部門
[優秀賞] ▽SBCスペシャル まぼろしのひかり~原発と故郷の山~ (信越放送)▽ETV特集『焼き場に立つ少年』をさがして(NHK長崎放送局)▽NNNドキュメント「毒ガスの痕 広島 ウサギ島の記憶」(広島テレビ放送)
◆ケーブルテレビ部門
[優秀賞] ▽ながさき原爆記録全集 映画「広島・長崎における原子爆弾の影響」検証編(長崎ケーブルメディア)▽からくり人形師(大垣ケーブルテレビ)▽成東駅列車爆破~終戦2日前の惨事~(広域高速ネット二九六)▽戦後75年目の懺悔-私は教え子を満州に送った- (伊那ケーブルテレビジョン)
◆市民・学生・自治体部門
[優秀賞] ▽小さな命の意味~大川小語り部10年~(椙山女学園大学 栃窪ゼミ)▽沼山からの贈りもの(アウトクロップ)▽あの日、ニレの木の下で(稚内北星学園大学 樺太プロジェクト)▽ルソンの祈り~順子ちゃんの戦場をたどって(法政大学別府研究室)
◆高校生(中学生)部門
[優秀賞] ▽ストップ!見て見ぬふり~勇気の一歩を踏み出そう~(富山市立堀川中学校)▽飛び込め!ファーストペンギン(エクセラン高等学校)▽コロナの時代 -いま私たちにできること-(桜丘中学高等学校)▽検証~津波に対する避難訓練はどうあるべきか~(静岡大成高等学校)
―――
・グランプリ受賞作品 東京で上映会を開く
「地方の時代」映像祭2021では、グランプリ受賞作品の東京上映会を12月4日に開く。
当日は、受賞作品『忘れてはいけないこと ~認知症受刑者が問いかけるもの~』の上映のほか、制作した岡山放送の岸下恵介氏、「更生支援事業団」代表理事の西田博氏らをゲストに迎え、トークイベントも実施する。入場は無料。
同作品は、無期懲役の受刑者が多い刑務所で深刻になっている「高齢化」に注目。認知症受刑者の増加で、刑務所が介護の場にもなっている現実にカメラが密着した。
【日時】12月4日/13時30分-17時30分
【会場】関西大学東京センター(東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー9階)
【定員】80人
【参加申し込み・詳細】bit.ly/3o4uceg


● アプリケーション開発の関連セッションなど実施/ザイリンクスがオンラインイベント

ザイリンクスは、バーチャルテクニカルカンファレンス「XilinxAdaptJapan」(オンライン)を11月16日-12月9日の間、毎週(祝日を除く)火曜と木曜日に開催している。
同イベントでは、ハードウエアの価値を最大限に生かしたアプリケーション開発に役立つ情報を提供。今回はエンドマーケット分野に焦点を当て、オートモーティブ、放送・プロフェッショナル用オーディオ/ビデオ、民生機器、データセンター、産業、有線・無線通信などの分野ごと、および開発環境に関連するセッションを実施する。
11月30日(9時30分-12時)には、「プロAV/放送機器/民生機器セッション」を開く。マルチメディア パイプラインの構成要素やAVにおける機械学習による効率の改善とコンテンツの収益化、ザイリンクスのビデオコーデックユニットで解決できるストリーミングの課題–などをテーマにしている。
受講料は無料(事前登録制)
【参加申し込み・詳細】bit.ly/3BfKKof


● NGCがウェビナー開催 ユーザーの事例報告など

エヌジーシー(NGC)は、「NGC World2021 ~ Online」(Zoomウェビナー)を11月26日に開く。ユーザーの事例報告をはじめ、最新の機材、ソフトソリューションについて説明する。参加費無料。
プログラムは次のとおり。
[講演1] (15時30分-16時)「コロナ禍/5G/DX時代のNGCの取り組み」(橋本昌嗣/NGC社長、デジタルハリウッド大学院客員教授)
[講演2] (16時05分-16時25分)「Quantum製品のアーカーイブフローについて」(竹内康浩/NGC BSI事業部フェロー)
[講演3] (16時30分-16時50分)「世界最高峰LEDディスプレイ TheWall最新情報の紹介」(小野智史/NGC ビジュアルソリューション事業部課長)
[講演4] (16時55分-17時15分)「故障から修理までの納期が大幅減!NGCの遠隔保守サービスの紹介」(川上亮/NGC メディアインテリジェンス事業部事業部長)
【参加申し込み・詳細】www.ngc.co.jp/news/ngcworld2021online


● 監視カメラなどを鉄道技術展に出展/池上通信機

池上通信機は、11月24-26日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される「第7回鉄道技術展2021」に出展する。
同社は、長年の実績と最新の技術を組み合わせ、視認性と保守性を第一に考えた「駅プラットフォーム監視カメラシステム」を展示。優れたメンテナンス性を実現した昇降式モニターハウジングをはじめ、高感度フルHDとワイドダイナミック機能で逆光環境でも高精細な映像を再現できる監視用カメラなど関連機器をそろえる
さらに、運転士(ワンマン運転)安全確認用システムの導入事例について説明する。
【鉄道技術展2021公式ウェブサイト】www.mtij.jp

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