2022年6月27日

地デジの高度化 導入方式「LDM」
検討作業 最終フェーズに
7月から移動受信フィールド実験 現行放送に影響しないことを証明

 地上デジタル放送方式高度化作業班による地上デジタルテレビジョン方式の高度化に向けた検討作業が最終フェーズに入る。地デジ高度化の放送方式は、(1)地上放送高度化方式(以下、高度化方式)(2)階層分離多重(LDM)方式(以下、LDM)(3)3階層セグメント分割方式--の3つが検討対象となっていたが、調査検討の結果、高度化方式とLDMに絞られることとなった。〈続きは本紙で〉

2022年6月27日号 主な記事

 ●通信・放送Week、コンテンツ東京、Japan Event Week 特集
 ●ソニー、ソニーPCL/清澄白河BASEに新スタジオ
 ●21年度キー局決算(3) 放送起点ビジネスの時代へ
 ●キヤノンが新映像ソリューション発表/企業内DXを推進へ
 ●レスターとタックが内覧会/アビッドの遠隔協業システム実演
 ●デジタルサイネージアワード「新宿東口の猫」が大賞

特集

● 通信・放送Week 特集
 ・4K・8K技術や映像伝送 各社が次世代システムを実演
 ・複数拠点から中継映像 KAIROS使い表示/シーマ
 ・12G対応のSDI-HDMIコンバーターを出展/ビデオトロン
 ・充実した8K対応製品群 映像合成・分割装置など/アストロデザイン
 ・ローカル伝送をデモ 低遅延システム披露/ミハル通信
 ・業務用液晶ディスプレー 多様なビジネス現場で利用/エーディテクノ
 ・可搬型衛星アンテナ ノートPC型で小型軽量/エーティコミュニケーションズ
● コンテンツ東京 特集
 ・最先端の技術・サービスが一堂に 制作から権利、マーケティングまで
 ・XRソリューション提案 デジタルツイン技術も/フォーラムエイト
 ・定額制レンタルサーバー リモートCG制作環境も提案/エヌジーシー
 ・クラウドストレージサービス 低価格ながら高速で安全/ビジュアル・グラフィックス
 ・XRライブステージを披露 高精細LEDディスプレー駆使/シンユニティ
● Japan Event Week 特集
 ・ライブ・エンタメの総合展開催 イベント盛り上げる各種演出
 ・「自治体DX展」 高画質映像ライブ中継/ソリトンシステムズ

コンテンツビジネス

● NFTの販売で社会貢献 売り上げは子ども支援に寄付/ギークピクチュアズ

放送

● 地デジの高度化 導入方式「LDM」 検討作業 最終フェーズに
● 8K文化財プロジェクト第7弾 謎多き能面の復元に挑む/NHK

CATV/CS

● 気候変動対策呼び掛け 共同キャンペーンに参加/ニューメディアが情報発信

プロダクション

● バーチャルギャラリーを構築 東京国際工科専門職大学と産学共同研究/NHKアート
● 清澄白河BASEに新スタジオ ボリュメトリックキャプチャー開始/ソニー、ソニーPCL

インターネット/通信

● Interop Tokyo 2022 多彩なローカル5Gシステム/ShowNet
● 注目の格闘技イベント 有料視聴は50万人以上/AbemaTVが独占生配信

プロ機器

● 企業内DXを推進するクラウド型映像プラットフォームの提供開始
  /キヤノンが新映像ソリューション発表
● アビッドの遠隔協業システムを実演/レスターとタックが内覧会を開催
● チバテレから4K/HDカメラ 4式と制作サブ一式を受注/池上通信機
● ゲームモード搭載の4K DLP投写機/オーエスプラスe

ディスプレー/大型映像

● サイネージ事業に進出 青森市内に街頭ビジョン/テクノル

総合

● 米カリフォルニア工科大学 カーバー・ミード名誉教授
京都賞(先端技術部門)を受賞 LSI設計の根幹を確立

イベント一覧

● デジタルサイネージアワード2022 「新宿東口の猫」が大賞受賞 地域活性化の可能性広げたコンテンツ

デジタルサイネージコンソーシアム(DSC)は、公募したデジタルサイネージ(サイネージ)作品の中から優秀な作品を選出・表彰することで、サイネージ市場をさらに活性化していくことを目指す「デジタルサイネージアワード2022」の受賞作品の発表および表彰式を、千葉市美浜区の幕張メッセで開催された「デジタルサイネージジャパン2022」の会場内で6月15日に発表した。
―――
グランプリには、東京・JR新宿駅東口前の新たなランドマークとして話題を呼んだ『新宿東口の猫/GIANT 3D CAT』が選出され関係者が表彰を受けた。
新宿駅東口広場の街頭大型LEDビジョン「クロス新宿ビジョン」(リアントロニクス製)は、2021年7月に本放映を開始。受賞作品は、この大型ビジョンための錯視3Dを利用した映像コンテンツである。
裸眼で3D(立体)に見える大型映像としてだけではなく、ランドマークキャラクターとして大きな猫がビルに住んでいるかのように設計されている。放映が始まる朝に猫が目覚め、日中に何度も現れ、夜は眠くなって消灯する。猫の高く狭い場所が好きな特性や耳やしっぽとの感情の連動など、存在感を巧みに演出した。
企業コラボ、2D広告をはめこめるフレーム施策、ツイッター、YouTubeを複合的に使用して広告効果を最大化している。
受賞者は、大型ビジョン所有者で設置ビル所有者でもあるクロススペース、この大型ビジョンの企画・広告運営をするユニカ、3D猫のコンテンツを企画・制作したオムニバス・ジャパンの3社。
アワードの審査員長の中村伊知哉DSC会長から表彰を受けた、クロススペースのファンダーの小谷周氏は「3D猫の実現には画面位置など綿密な計算もあった。受賞できて光栄」と述べた。
中村氏は「コロナ禍影響下でのアワードは、今回で3年目。生活者の環境変化により、サイネージの役割も大きく変化した年だった。長期化する自粛生活において外出の価値が向上する中、サイネージも単なる情報発信のための装置ではなくなり、意味を問われるようになってきた。コロナ禍であっても、屋外に新設されるサイネージや、新しいコンテンツはさまざま。話題になるケースも多く、応募作品にもその傾向は反映された。空港や駅といった交通広告はもとより、商業施設、オフィス、ショールームなど、多彩なロケーションで新たなタイプのサイネージが着実に普及している」と業界動向を解説。
その中でグランプリ作品は、単なる裸眼3Dのサプライズコンテンツとしてだけでなく、広告対象であり媒体であるビジョン自体をランドマークとして認知させた点が高く評価された。
放映スケジュール情報の開示・SNS連動などで、現地へ訪問する視聴者に配慮した施策をとり、反響に応じてその細部を調整した。そのことによりクロス新宿ビジョンは3D広告ショーケースとしての盛り上がりを見せ、DOOH(屋外広告)を通行する人の目にとどまる広告媒体から、わざわざ見に行く目的へと進化させた。
中村氏は「映像自体も猫コラボ広告や、同種の広告3Dコンテンツの映像表現上のフラッグシップとしても成功した。2021年の新しい新宿の風景としてイメージを作り、地域の活性化にもサイネージの可能性を示した。また日本のキャラクターカルチャーとDOOHが接続する可能性を示した」とコメントを寄せた。
オムニバス・ジャパンで3D猫のコンテンツを企画・制作した、メディアアーチストで執行役員待遇の山本信一氏は「7月でクロス新宿ビジョンも1周年を迎える。1年を機に新しい企画も検討している」と、さらなる展開にも意欲をみせていた。


● SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 7月16日から川口市で開催 リアル会場上映と配信を併用

埼玉県、川口市などが主催する「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022」の記者会見が15日に都内で開かれ、ノミネート作品、特集上映をはじめとする全ラインアップを発表した。
同映画祭は、デジタルシネマにフォーカスを当て、国際コンペティション、国内コンペティション(長編部門、短編部門)を中心にした『若手映像クリエイターの登竜門』として毎年開催している。
第19回を迎える今年は、2019年以来3年ぶりのスクリーン上映と、ネット配信を併用したハイブリッド方式で、7月16日から、埼玉県川口市のSKIPシティをメイン会場に実施する。オープニングは、同映画祭で初めて3年連続ノミネート、3年連続受賞を果たした磯部鉄平監督の最新作『世界の始まりはいつも君と』のワールド・プレミアで幕を開ける。
国際コンペティションには、99の国・地域から応募された775本から厳選した10作品がノミネートしている。審査委員長は女優の寺島しのぶ。
国内コンペティションでは、日本映画界の未来を担う、若手映像クリエイターによる長編6作品、短編8作品がノミネート。黒沢清監督、深田晃司監督など数々の映画監督とタッグを組む、映画撮影の芦澤明子氏が審査委員長を務める。
今年は2つの特集を企画。1つは、『チャリティ上映「ウクライナに寄せて」』と題し、過去に同映画祭でノミネートした、日本では劇場未公開のウクライナ作品2本をリバイバル上映する。この特集の収益は、ウクライナの人々への支援に役立てるため、日本赤十字社を通じて全額寄付する。
もう1つは『What?s New~飛翔する監督たち~』と題し、過去にノミネートした監督の最新作2本を劇場公開に先駆けて上映する。
【日程】▽スクリーン上映=7月16-24日▽オンライン配信=7月21日/10時-27日/23時
【会場】SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ 映像ホール、多目的ホール、メディアセブン(以上、埼玉県川口市)ほか
【詳細】https://www.skipcity-dcf.jp/


● ウェビナー「バーチャルシステムソリューション」/朋栄

近年、CGとカメラ映像をリアルタイムで合成し映像制作をする、バーチャルシステムの需要が高まっている。そこで朋栄は、バーチャルシステムソリューションについて同社製品を交え、用途ごとのシステム構成などを説明する。参加無料。
【日時】▽1回目=6月28日/11時-11時30分終了目安▽2回目=同日/13時30分-14時終了目安
【詳細】https://www.for-a.co.jp/


● 京都映画企画市 時代劇の企画を募集 若手クリエイター対象に

映像産業振興機構(VIPO)は、京都府と共同で実施する第14回「京都映画企画市-Kyoto Film Pitching」の開催にあたり、現在企画を募集している。
同事業は、時代劇の拠点である京都の優位性を生かし、京都から若手クリエイターを世に送り出すことを目的とした、時代劇・歴史劇ジャンルの映画企画コンテスト。第一線で活躍する映像業界人を審査員に迎え、応募企画の中から書類審査にて数作品を選定し、映画企画コンテスト(プレゼンテーション)で優秀映画企画を決定する。
優秀映画企画には、長編劇場公開につなげるために350万円相当のパイロット版(短編)映像制作の権利を付与する。パイロット版では、京都での撮影、東映・京都撮影所もしくは松竹撮影所の協力とアドバイスにより制作できる。
企画募集は8月8日まで。映像企画コンテストは、10月16日に京都市内会場での開催を予定している。
【詳細】kyotofilmpitching.jp/application


● 衛星放送協会オリジナル番組アワード 各部門の最優秀賞が決定 7月21日にグランプリ発表

衛星放送協会は13日、2021年度にBS、CSで放送されたオリジナル番組の中から、優れた番組や企画を表彰する「第12回衛星放送協会オリジナル番組アワード」の番組部門計6ジャンル、編成企画部門、番宣部門の最優秀賞、および審査員奨励賞、CAB-J賞、特別表彰を発表した。
同アワードは、衛星放送協会の会員社が、専門チャンネルの強みを生かして制作された優れたオリジナル番組や、話題性のある編成企画を厳正なる審査の上、決定・表彰すると共に、それらを広く知ってもらうことを目的に実施している。
今回のグランプリは、番組部門6ジャンルの最優秀賞から1作品を選出し、7月21日16時に発表する。
各賞は次のとおり。
★番組部門・最優秀賞
[ドラマ] 連続ドラマW東野圭吾「さまよう刃」(WOWOWプライム)
[ドキュメンタリー] 希林と裕也 ~トリックスター夫婦による昭和平成史~(NHK BSプレミアム)
[中継] フランス中継 恋しいパリ 第2部(NHK BSプレミアム)
[文化・教養] 町田樹のスポーツアカデミア 〈特別編〉~アーチストとアスリートの身体・精神論~音楽家 反田恭平(J SPORTS4)
[バラエティー] 24時間まるごと 坂本浩一の特撮アクション 特別番組(日本映画専門チャンネル)
[ミニ番組] 食が好き!旅が好き! ~お取り寄せ#居酒屋新幹線~(チャンネル銀河)
★番組部門・審査員奨励賞
[ドキュメンタリー] 名もなき人々の戦争(ヒストリーチャンネル)
★編成企画部門・最優秀賞
連続グルメドラマ「#居酒屋新幹線」マルチプロジェクト(チャンネル銀河・TBS系地上波)
★番宣部門・最優秀賞
連続ドラマ「#居酒屋新幹線」続編特報(チャンネル銀河)
★CAB-J賞
私たちの海を守る MSC「海のエコラベル」(ヒストリーチャンネル)
★特別表彰
日曜邦画劇場1000回記念特別番組(日本映画専門チャンネル)

連載

21年度キー局決算(3) コア層狙いで新展開 放送起点ビジネスの時代へ

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