2019年1月7日

地上波TV高度化に本腰
4K、ネット融合実現へ 総務省 4カ年計画で調査・検討
新たなチャンネル見つけ出す NHK方式など掘り下げ

2019年は地上波放送の高度化に向けた動きが具体化する。総務省が4カ年計画で、地上波で4K放送などを実現するための各種技術の検討・調査、方式策定などを目的とした技術試験事務を公募するためだ。昨年12月1日からBS/CSによる「新4K8K衛星放送」がスタートしたが、地上波テレビの放送技術は、2003年の地デジ開始以降、ほとんど変わっていない。ネットが隆盛を極める中、地上波テレビ高度化の重要性は増している。今年はその道筋をつける重要な年になるだろう。〈続きは本紙で〉

2019年1月7日号 主な記事

●2019年の業界展望
●地上波TVに新潮流/ネット接続TVの可能性
●約7割が「4K放送を見てみたい」J:COMが調査
●Inter BEE 2018レポート(7)
●映像・情報通信関連の主要年間行事一覧

特集

● 地上波TV高度化に本腰 4K、ネット融合実現へ
┃ 変化遂げる放送業界
┃ ├新4K8K衛星放送 ラグビーW杯が普及後押し 日テレの“前倒し”に注目
┃ ├ネット同時配信 NHKが単独で開始へ 民放はスポーツ中心 先行のNHKから知見も
┃ ├CATV 5Gの免許取得目指し準備 地域BWAへの取り組み鍵に
┃ └放送設備IP化 ST2110の要素技術が課題 「プラグアンドプレイ」システムに
┃ 映像プロダクション 多様化する「映像コンテンツ」 問われる制作コーディネート力
┃ 次世代地上放送と受像機の行方 提供サービスの根幹見直し
┃ ディスプレー業界の動向 高精細化がさらに進展
┗ 需要が拡大する大型映像業界 スポーツ、音楽イベントで活躍

放送

● 地上波TVに新潮流 本紙記者座談会 変わるメディア指標 ネット接続TVの可能性

デジタル映像

● 仏のベンチャー企業6社が来日 多彩なAR/VR技術を披露 「フレンチテック」イベント
┃ PS VRで3D映画を配信 ライブ映像もVR化/ソニー・インタラクティブ
┃ 「レジャージャパン2018」開催 対話型画像生成システムや次世代体験型ゲームをデモ
┗ シーグラフアジア2018 各種VRシステムを披露 フォーラムエイトがプラチナスポンサー

ディスプレー/大型映像

● 屋外広告活動の実情解説 マッピングなどの活用提案/マスコミ文化協会がセミナー

映画/番組/CM

● 映画「未来を乗り換えた男」 ドイツの名匠ペッツォルト監督の新作 ナチスの迫害と移民問題

統計・調査

● J:COMが4K放送に関する調査 約7割が「見てみたい」と回答
┗ 「テレビ離れ」は本当なのか スカパーが視聴実態を調査

イベント一覧

●2月28日から横浜で開催 CP+2019の概要を発表 18年は女性客比率が20%超

カメラ映像機器工業会(CIPA)は、2019年2月28-3月3日に総合カメラ映像ショー「CP+(シーピープラス)2019」を、パシフィコ横浜などで開催する。
18年12月13日には、横浜市内で開催する写真・映像のイベント群「フォト・ヨコハマ2019」との合同記者発表会を開催。CIPAの牛田一雄代表理事会長と林文子横浜市長が登壇した。
CP+2018は過去最多の6万8000人を動員。廣瀬行哉・CP+実行委員長は、「女性来場者比率が初めて20%を超え初来場者も増加した」と報告。来場者アンケートではセミナーや講演会への期待が高いことが分かっており、「自分のためになる何かを持ち帰りたいのではないか」と分析した。
19年は新製品展示をはじめ、若い女性に写真の楽しさを伝える企画やアートコミュニティースペースを開催する。18年12月13日現在の出展社数は124社・団体で小間数は1148。来場者数7万人を目指す。平日の2月28-3月1日には、一眼カメラを中心に動画ソリューションを紹介する「プロ向け動画エリア」に14社が出展する。
質疑応答のなかで廣瀬委員長は、ドイツの展示会「フォトキナ」が20年から5月に開催することに関連して、「CESや春商戦もあり2月後半は良い時期。時期の変更は考えていない」と話した。


●「MADD.Award2019」開催 8K映像の可能性追求

アストロデザインは、慶応義塾大学 SFC研究所次世
代映像コンソーシアムとともにMADD(Movie for Art, Design and Data)を設立し、「MADDAward2019」と題した映像アワードを開催する。
映像を取り巻く環境は常に変化し続けているが、「インフラや技術が急速に進化する一方で、その可能性は映像の作り手に十分に伝わっておらず、新しい表現や物語性の開拓は遅れているのが現状。『MADDAward』は、このような背景から生まれた」という。
新しい映像表現にチャレンジする場を提供するとともに、アワードとそれに伴うイベントの実施を通して「映像作家、デザイナー、アーチスト、技術者の生きた生態系が実現する」としている。
今回が第1回の開催となるが、毎回異なるテーマを設定し、映像の可能性を追い求めていく方針。
「MADDAward 2019」のテーマは、『potential of 8K』。8K映像を対象に、まだ見ぬ世界を体感させてくれる作品を募集する。
応募資格は、企業・団体あるいは個人・グループで、年齢、性別、職業、国籍は問わない。作品は、8K解像度(7680×4320)に対応した実写の動画、アニメーション/CG(リアルタイムレンダリングによるものを含む)で、上映時間は原則60-180秒。
エントリー締切日は2月14日、作品提出は2月21日まで。3月中旬に作品上映会を開き入賞作品を発表する予定。
【詳細】madd.jp

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●1月12日に関連ワークショップ/アストロデザインなど
アストロデザインは、「MADDAward2019」を開催するにあたり、ワークショップを1月12日に開く。
講演内容は、「Ars ElectronicaのDeep Space 8Kで発表した『Scalar Fields』の制作プロセスと、それにかかわるソフトウエアの使い方レクチャー」(アーチスト、慶応義塾大学SFC教授/脇田玲氏)、「8Kリアルタイムレンダリング制作テクニック」(クリエイティブコーダー/田所淳氏)、「8K実写映像の制作環境の紹介」(戒能正純氏)。
参加費は無料。なお、セミナー終了後、会費制の懇親会を実施する。
【日時】1月12日/14時開始
【会場】アストロデザイン本社内(東京都大田区南雪谷1-5-2)
【参加申し込み・問い合わせ】info@madd.jp


●アニメ制作セミナー 白組がワークフロー解説 新作のメイキングなど/Too 

Tooは、アニメ制作ワークフローセミナー第18弾「TVアニメ『revisions リヴィジョンズ』メイキング-心に残る数々の映像作品を手掛けた白組による世界に向けたアニメーション制作」を1月31日に開く。
同セミナーは、アニメ・映像制作に携わる人や、制作に3DCGツールの導入を検討中の事業者を対象に、オートデスク製品を中核とするデジタルでのアニメ制作ワークフローを説明する。
今回は、スペシャルゲストとして数々の映像作品を手掛けてきたプロダクション、白組の担当者が登壇。1月9日からフジテレビ「+Ultra」で放送するTVアニメ『revisions リヴィジョンズ』のメイキングを中心に、アニメ制作における現場でのエピソードやCG制作フロー、制作を支える社内システムなどについて解説する。受講料は無料。
【講演内容】
▽「TVアニメ『revisions リヴィジョンズ』について」(白組 アニメーションプロデューサー/井出和哉氏)
▽「TVアニメ『revisions リヴィジョンズ』制作ワークフロー」①キャラクターの制作②背景の制作③アニメーション④エフェクト⑤コンポジット⑥制作環境(井出和哉氏、CG監督/平川孝充氏、Technical Director/更谷拓氏、撮影監督/高橋和彦氏)
【日時】1月31日/14時30分-18時
【会場】ソラシティカンファレンスセンター sola city Hall〈EAST〉(東京都千代田区神田駿河台4-6)
【定員】150人(事前予約制)
【申し込み・詳細】www.too.com/event/y2019/revisions


●企業連携イベント開催 事前登録を18日まで受付/IoT推進ラボ

IoT推進コンソーシアムのIoT推進ラボは、「2030年の街づくり」をテーマに、第8回企業連携イベント「IoT Lab Connection」を2月27日に開く。
イベント当日は、1社対1社の個別面談をするビジネスマッチングをはじめ、同会場内でテーマに関するピッチや基調講演などステージプログラムを実施し、さまざまな形でビジネス創出の機会を提供する。参加費は無料。
ビジネスマッチングでは、大手企業、スタートアップ、自治体など、事業の規模や形態を問わず多様な参加者のネットワーキングを実施する。個別ミーティング(20分)は、最大10回程度を予定。全参加企業の中から、会いたい企業を登録する。
ビジネスマッチングの事前登録期限は、1月18日正午。
【日時】2月27日/10-18時
【会場】ベルサール六本木グランドコンファレンスセンター(東京都港区六本木3-2-1 住友不動産六本木グランドタワー9階)
【ビジネスマッチング募集要領】iotlab.jp/ConferenceRoom/article/file/8thConnection_Guidline.pdf
【ビジネスマッチング応募方法】募集要領を確認の上、ラボ会員登録(無料)後、会員サイト内の応募フォームから応募する(定員に達し次第締め切る)
【詳細】iotlab.jp/jp/index.php


●番組を視聴する会「第5回 放送が伝えた被災地ボランティア~阪神・淡路大震災から24年~」

放送ライブラリーで阪神・淡路大震災に関連した番組7本を上映する。入場無料、申し込み不要(入退場自由)。
【日時】1月14日/10時10分-16時45分
【会場】横浜情報文化センター内(横浜市中区日本大通11)
【詳細】www.bpcj.or.jp

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