2025年6月2日

NHK技研公開
クラウド放送局システム提案
放送とネットの機能共通化
ST2110に比べ手軽に マルチレイヤー対応VVCの有効性も

NHK放送技術研究所の最新の研究開発成果を展示する「技研公開2025」が5月29日-6月1日の4日間、同研究所で開かれ、現在の放送に資する技術から未来を見据えた技術、デバイス、サービスなど、多彩な展示が繰り広げられた。10月からの「インターネット活用業務必須業務化」を前に、インターネットによる放送番組配信に関連した展示も注目された。H.266と称される映像符号化方式「VVC」のマルチレイヤー対応リアルタイムエンコーダーも次世代放送サービスの可能性を示した。
(続きは本紙でレポート)

━ 今週号(6月2日号)の注目記事はコチラ ━━━━━━━━━━━━━━

NHK TECH EXPO 2025が開催 DXで進化する番組制作現場 「電子メモツール」に最優秀賞
 NHKは5月26日-28日の3日間、NHK放送センターで「NHK TECH EXPO 2025」を開催し、制作現場や各地の放送局で開発したさまざまな技術や工夫を披露した。今回目立ったのは、制作工程のDXを通じてより働きやすく効率の良い現場を実現するための取り組み。カンペを電子化した「電子メモツール」(メディア技術局/名古屋放送局)に最優秀賞を授与したほか、優秀賞を「投開票速報 自動読み上げ&印刷システム(仙台放送局)と「AI自動スイッチングシステム『SWARTA』」(メディア技術局/メディアイノベーションセンター)に、奨励賞を「画像解析による自家発小出槽の油量計測システム」(名古屋放送局)および「ニューステロップ制作における配色サポート機能」(技術局)に贈った。
(続きは本紙でレポート)

キー局決算と中期経営計画③ テレ朝 広告費トップに ポートフォリオではTBS バランス重視へ進化
 民放キー5局の2024年度決算は、3局が連結・単体ともに増収増益、1局が共に増収減益、フジテレビが大幅減となった。フジから流出した広告費が他局の業績に一定の影響を与えたが、それ以上に重要だったのが事業のポートフォリオ。テレビ広告費以外の事業展開でどれだけ業績をあげているかが明暗を分けた。テレビ朝日は絶好調だったが、広告依存度が高く、日本テレビとTBSは広告費以外で好調だった。ライツ事業に強いテレビ東京は、同領域の競争激化から陰りが見える。情報流通激変下のテレビ局経営を24年度決算から読み解く。(次世代メディア研究所 鈴木祐司)
(続きは本紙でレポート)

※本紙とデジタル版は同一内容です。

2025年6月2日号 主な記事

 ●東北映像フェスティバル2025特集
 ●NHK TECH EXPO 2025が開催 DXで進化する番組の制作現場
 ●キー局決算と中期経営計画(3) 激変下のテレビ局経営
 ●自動車SDV化で情報表示が増加/コンテンツ制作者にチャンスか
 ●韓国の最新状況/多様な場所でLED活用

特集

● 東北映像フェスティバル特集
 ・東北映像フェスティバル2025 東北最大規模の業
  界イベント
 ・Dante AV Ultra エンコーダー デコーダー/
  エーディテクノが新製品展示
 ・ライブプロダクション機能 タッチパネルで直感
  的な操作/ヒビノ
 ・入力信号を監視して異常検知すると自動切り替え
  /ビデオトロン「SMS-70H」
 ・最新ソリューションを披露 制作の効率化と品質
  向上支援/ITGマーケティング
 ・再納品ファイルを簡単に生成 番組納品のメディ
  アレス化に対応/伊藤忠ケーブルシステム
 ・遠隔監視制御システム 状態変化記録や異常通知
  も/アプコット
 ・機能統合型のライブ制作ソリューションを展示
  /朋栄

放送

● NHK技研公開 クラウド放送局システム提案
  放送とネットの機能共通化

CATV/CS

● 連結売上高は前期比5.3%増 接続世帯数が着実
  に増加/CNCIグループの24年度決算
● 渋谷で阿波おどりイベント 首都圏でのプロモー
  ション強化
  /JDSがケーブルテレビ徳島などと協業
● 神奈川県青葉警察署と地域安全に関する協定/イ
  ッツコム

プロダクション

● NHK TECH EXPO 2025が開催 DXで進化する番組
  制作現場
● 30人同時にモーキャプ撮影 合戦シーンの品質を
  向上/デジタル・フロンティア

デジタル映像

● 広視野角ARデバイス 米国の展示会に出展
  /KDDI、カプコン

インターネット/通信

● 国境越えた5G NTN 各国機関、メーカーと共同実
  証 関西万博でライブデモ
  /スカパーJSAT
● 広告出稿企業2100社超に セルフサーブ機能での
  手軽さ好評/TVer
● 遅延0.1秒の高臨場感伝送 双方向ライブビュー
  イングを実現/NTTコム、ヤマハが共同開発

プロ機器

● フルサイズの新カメラ 映像制作を目指すクリエ
  イター向け/ソニーが「FX2」発売

ディスプレー/大型映像

● 韓国のデジタルサイネージ最新状況 空港、商業
  施設などで多様な活用
● 台湾の新都市型水族館で没入型のアートイベント
  /ネイキッド「NAKED OCEAN」
● 名古屋の大型ビジョン 特別出稿キャンペーン/
  明和興産が運営
● 横浜冷凍の夢洲物流施設に巨大なマッピング映像
  投写/関西イノベーションセンター

映画/番組/CM

● 映画「ラブ・イン・ザ・ビッグシティ」 
  正反対の男女2人が織りなす奇妙な友情

総合

● 自動車SDV化で情報表示が増加 コンテンツ制作
  者にチャンスか

イベント一覧

● FilmLightエンジニアが実演して最新機能を説明/レスター 最新のBaselight

レスターは、「FilmLightテクニカルセッション」を6月19、20日に東京・港南のレスター本社で開く。参加無料(事前登録制)。
同セッションでは、FilmLight社のイメージエンジニア、シルヴァン・カノー氏を招き、最新のBaselightに搭載された機械学習(ML)を応用したツールや、全く新しいルック開発アプローチ「Chromogen」、さらに革新的なメディアツール「Nara」のデモンストレーションを実施する。
新製品の「Baselight for macOS」は、アップルmacOS向けに提供開始されたBaselightサブスクリプション。ハイエンドLinuxシステムと同等の最先端機能を搭載している。
カラーグレーディング実演では、カノー氏によるビューティー、ファッション、ラグジュアリー分野での実践的なグレーディングを披露。また、最新プロジェクト「Cercle Odyssey」などを通じたルック開発のアプローチについて説明する。
各日終了後には、カクテル・パーティーを予定している。
【日時】6月19、20日/いずれも15-18時
【会場】レスター.3階セミナールーム(東京都港区港南2-10-9 レスタービルディング)
【詳細】https://www.restarcc.com/


● 「地方の時代」映像祭 コンクール参加作品募集 放送、CATVなど4部門

「地方の時代」映像祭実行委員会は、『第45回「地方の時代」映像祭』コンクール参加作品の募集を開始した。
同コンクールは、「地方の時代」を切り開くために寄与した映像作品の交流と顕彰を目的として実施している。「伝えることをあきらめない」をサブテーマに、日頃感じる疑問や社会にかかわる出来事などを、地域の特徴に根ざした身近な人々の視点で描いていた作品を広く募集する。募集映像作品は次の4部門。
[放送局部門] 全国のテレビ局(衛星放送を含む)で、過去1年間に放送されたドキュメンタリー、報道・情報番組(番組内のシリーズ企画などを含む)
[ケーブルテレビ部門] 全国のCATV局で、過去1年間に放送されたドキュメンタリー、地域の文化や地域の課題などをテーマとした映像作品
[市民・学生・自治体部門] 全国の市民、学生、専門学校生などのグループまたは個人、または自治体が、過去1年間に制作したドキュメンタリー、地域の文化や地域の課題などをテーマとした作品、そのほか多様な映像作品。放送もしくは発表の実績は問わない
[高校生(中学生)部門] 全国の高校生、高等専門学校生、中学生のグループまたは個人が、過去2年間に制作した映像作品。放送もしくは発表の実績は問わない
応募締切日は6月30日、なお「高校生(中学生)部門」の応募期間は7月1日-8月8日。
主催の映像祭実行委員会は、NHK、日本民間放送連盟、日本ケーブルテレビ連盟、吹田市、関西大学で構成する。
コンクールの贈賞式および記念講演、シンポジウムは、11月15日に大阪府吹田市の関西大学 千里山キャンパスで開催する予定。
【詳細】https://www.chihounojidai.jp/


● TIFFCOMで企画マーケット 長編映画作品の企画を募集 資金を確保できるよう支援

第38回東京国際映画祭(TIFF)の併設マルチコンテンツマーケット「TIFFCOM2025」は、10月29-31日に東京都立産業貿易センター浜松町館(東京都港区)で開催されるが、現在、「第6回Tokyo Gap-Financing Market(TGFM)」の参加企画を募集している。
昨年同様、アジア要素を含む長編映画(実写、アニメーション)15企画を選抜、TIFFCOMへ招待し、1対1のミーティングを実施する。
TGFMとは、開発中の企画の代表プロデューサーが、国際的に活躍する映画業界のエキスパート(セールスエージェント、配給会社、制作会社、金融業者、放送局、配信事業者、投資家など)との個別ミーティングを通じて、企画の資金を確保できるよう支援する企画マーケット。2020年に第1回をオンライン開催してから、既にカンヌ、べネチア、ベルリン国際映画祭をはじめとした世界の映画祭で公式出品を果たす企画が続々と誕生している。
TGFMでは、応募条件に「全予算60%以上を確保していること」を設けているため、毎年完成する可能性が高い企画が多数集まり、具体性のあるミーティングができるのが特徴。
また、アジアの国・地域からの企画、あるいはアジア要素を持つ国際企画に対象を絞っている。対象となるプロジェクトは、長編映画(実写、アニメーション)、70分を超える長編映画であれば、予算やジャンルの制限はない。
募集締切日は7月16日。
【詳細】https://tiffcom.jp/news/20/


● 三信電気「NAB2025 LiveUフォローアップウェビナー」

NAB(エヌエービー)ショーのLiveUブースで披露された新機能について説明する。内容は、①LiveU IQ(LIQ)の発表/キャリア選択を最適化する技術、②LiveU Ingestの新機能/他社システムと連携機能の強化、③機能が追加されたLiveU Studio–など。
【日時】6月6日/14時-14時40分(Zoom使用)
【申し込み】 https://zoom.us/webinar/register/WN_ni1feiJOTGO2kA526sc0NA

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