2019年1月28日

NHK
4K大型中継車2台を完成 スポーツ中継中心に稼働
4Kは「IP Live」で構築 HDR、SDR同時制作方法検討

NHKはこのほど、大型スポーツ番組制作などで使用する4K大型中継車2台を完成させた。NHKの3カ年経営計画では、新4K8K衛星放送や2020年の東京五輪などに向けて、4K.8Kコンテンツの充実や制作体制の強化を図るとしており、これに基づいて導入を進めている。4Kシステムについては、機器間の伝送インタフェースにIPを用いた「IP Live Production System」で構築した。現場担当技術者のトレーニングを進めた後、本格的な運用を開始する予定だ。〈続きは本紙で〉

2019年1月28日号 主な記事

●GAORAが本社を移転 マスターとスタジオ、編集設備が稼働
●民放連会長/NHKに常時同時配信の抑制的な運用を改めて要望
●CES2019レポート② 期待される5Gサービス/米国では十数都市で開始
●大型映像・サイネージ274面で電通とサイバー・コミュニケーションズが屋外広告の実証実験

放送

●4K大型中継車2台を完成 スポーツ中継中心に稼働/NHK
●GAORAが本社を移転 マスターとスタジオ、編集設備が稼働
●NHKに常時同時配信の抑制的な運用改めて要望/民放連 大久保会長
●衛星放送協会が業界動向を説明 有料多ch契約11万件増

CATV/CS

●番組交流や共同制作など KCTV済州放送と協定結ぶ/大分ケーブルテレコム
●「ショップチャンネルプラス」放送世帯拡大/J:COMが3月から

プロ機器

●組込用液晶モニターを発売 IP65の防塵・防滴性能/エーディテクノ
●アレゴリスミック社を買収 3Dコンテンツツールを開発/アドビ

ディスプレー/大型映像

●光和「2019 最新映像機器内覧会」 存在感を示す中国系メーカー
●ポスター型LED新製品 光和の内覧会で参考出展/NECディスプレイソリューションズ
●東急グループ、渋谷で2基目 「渋谷駅前ビジョン」稼働

映画/番組/CM

●映画「眠る村」 冤罪の可能性強い死刑事件を追う

家電/民生機器

●CES2019レポート② 期待される5Gサービス 米国では十数都市で開始

統計・調査

●「通信・放送産業動態」を調査 民放、広告売上が減少傾向に/総務省

総合

●電通が米社と協業 マーケティングサービスを開発
●「社会の課題解決へ組織を改革」 CIAJ賀詞交歓会で東原会長が宣言
●映文連が新年会 技術と表現は表裏一体 物語とのマッチング重要
●屋外・交通広告の実証実験/電通/サイバー・コミュニケーションズ
●渋谷で情報配信・表示の実証実験/DNP、東電PG、パナソニック

イベント一覧

●高柳健次郎賞 贈賞式 ISDB提唱の吉野氏(元NHK専務理事)が受賞 デジタル放送の基礎を築く

電子科学技術の独創的な研究開発を讃える「2018年度高柳健次郎賞」の贈呈式が18日、東京・千代田放送会館で開催された。
高柳健次郎賞は、元日本放送協会 専務理事・技師長の吉野武彦博士が受賞した。映像と音声、データをデジタルデータとして一元的に扱うことで、さまざまなサービスを可能にする「ISDB」(統合デジタル放送)を提唱し、現在のデジタル放送の基礎を築いた。「~夢を夢見て~デジタル放送への道」と題した記念講演も行った。
高柳健次郎業績賞は、NTTメディアインテリジェンス研究所 主幹研究員(上席特別研究員)の高村誠之博士に送られた。MPEG-4、H.265/HEVCにつながる映像圧縮符号化方式の研究と国際標準化、普及活動が評価された。高村氏は「賞の名に恥じない成果を出せるよう研究を進めたい」とあいさつした。
優れた科学放送番組を表彰する科学放送高柳賞は、WOWOWが放送した『パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ「WHO I AM」森井大輝(日本/アルペンスキー)【平昌パラリンピック完全版】』が最優秀賞となった。
パラアスリートのドラマとともに、40人超の自動車開発エンジニアがチェアスキーを開発する過程を描いた。「エンジニアは、選手を通じて世界のてっぺんを目指すということを疑似体験しており、その姿は輝いていた」(制作部チーフプロデューサーの太田慎也氏)という。完成度の高いドキュメンタリーとして評価された。
優秀賞のBSテレビ東京『衝撃!未来テクノロジー 2030年世界はこう変わる』は技術開発をレポートした。「最先端の現場を映像で押さえられるのか、またどう表現したら伝わるのか悩んだが、塩田真弓キャスターら取材陣の突破力のおかげで面白い番組にできた」(ニュース部の大西穣部長)という。NHK『NHKスペシャル シリーズ古代遺跡透視 大ピラミッド発見!謎の巨大空間』は、福島原発事故の処理で使われた技術で遺跡を調査。科学雑誌に結果が掲載されるなど学術的にも評価された。


●「第48回 番組技術展」 4K8K制作やAI活用 2月11-13日 23件の技術公開/NHK

NHKは、「第48回 番組技術展」を2月11-13日の3日間、NHK放送センー(東京都渋谷区)正面玄関ロビーで開催。4K8K番組制作技術や、話題のAI(人工知能)を活用した開発など、最新技術23件を公開し、展示機器については放送技術の担当者が説明する。
全国のNHKでは、視聴者に分かりやすく、魅力的な番組を届けるために、創意工夫を凝らしたさまざまな放送機器を開発している。番組技術展では、これら最新の開発成果を年に一度、一堂に集めて展示している。
会場では、一般からの4K8K放送受信に関する相談にも対応する。
◆展示内容
【4K8K-超高精細映像と三次元音響で高臨場感の番組】▽国際宇宙ステーションからの8K映像▽深海8Kプロジェクト▽4K-HDRドラマ制作技術▽4K一体型カメラ取り付け型光リンクと収録部集中コントローラー
【番組制作-最新技術の活用と創意工夫】▽立体音響再現技術を使ったオーディオドラマ▽ロケミキサー用バッテリーと専用充電器▽伸縮素材を用いたカメラ用防水カバー▽遠隔試写システム▽クロマキーレス背景分離・合成システム「Keydream」▽映音同時伝送・IP技術を設定なしで楽して活用▽小型SDIペイロードチェッカー
【AI利活用による効率化】▽AIを用いた動画要約システム▽スピード翻訳システム▽AIを利用したスピードガン球速表示システム▽AI顔ぼかし加工システム▽顔認識技術による『番組権利情報 作成基盤』
【緊急報道・放送確保-より迅速に、より確実に番組を提供】▽IP伝送モニタリングシステム▽ロボカメ元気モニター▽
全方位カメラを使用したサーバーシステム▽FPU基地局スピードスター▽公共インフラ不要の遠方監視システム▽放送回線の降雨減衰予測システム▽放送所ALLチャンネルモニター監視装置
【日時】2月11-13日/
10-17時(入場は終了30分前まで)
【会場】NHK放送センター(東京都渋谷区神南2-2-1)
【詳細】www.nhk.or.jp/bangiten


●営業技術セミナー 専門用語や技術の仕組み学ぶ/JPPA 業務委員会

日本ポストプロダクション協会(JPPA)業務委員会は、昨年10月に開催した営業実践講座に続き、2月26日に「営業技術セミナー ~調べても中々わからない技術用語の正体を知ろう~『技術の正体』」を開く。
講師はGZ-TOKYO(Zaxx)代表取締役の舘英広氏。日常的に使用している技術用語や技術の仕組みの意味について、分かりやすく解説する。対象は、一般(JPPA非会員社)の営業、デスク、若手の技術者、制作現場のスタッフ、メーカーおよび販社の関係者など。セミナー終了後、懇親会を開催する。
【日時】2月26日▽セミナー=13時20分-17時45分▽懇親会=18時15分-20時45分
【会場】▽セミナー=ワイム貸会議室 お茶の水ルームA+B(東京都千代田区神田駿河台2-1-20 お茶の水ユニオンビル4階)▽懇親会=御茶ノ水 ビアホール(東京都千代田区神田駿河台2-4-4 サンロイヤルビル地下1階)
【会費】▽セミナー参加+懇親会参加=8000円▽セミナーのみ=3000円▽③懇親会のみ=5000円
【申し込み締め切り】2月15日
【定員】150人(定員になり次第締め切る)
【申し込み】goo.gl/TCCTNs


●SKIPシティ国際映画祭 7月13-21日に開催決定 コンペ部門の作品募集

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭事務局(埼玉県川口市)は、16回目となる「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019」を、7月13-21日に開催すると発表、コンペティション部門(国際コンペティションおよび国内コンペティション)の作品募集を開始した。
国際コンペティションは、国内・海外の長編作品が対象(長編映画制作本数が3本以下の監督による60分以上の作品)。
国内コンペティションは長編、短編の2部門で、長編部門は長編映画制作本数が3本以下の監督による60分以上の国内作品、短編部門は商業公開された長編映画を制作したことがない監督による、15分以上60分未満の国内作品が対象となる。
各部門ともに、実写作品(ドラマ・ドキュメンタリー)、アニメーション作品のいずれも応募可能。ノミネート作品は映画祭期間中に上映し、最終審査を経て、最優秀作品賞をはじめ各賞を授与する。
募集は3月1日(必着)まで。公式サイト(www.skipcity-dcf.jp)内オンラインエントリーフォームから応募する。


●ブランディング映像制作 企業担当者による説明会/QPRが2月4日に開く

QPR(東京都世田谷区)は、一般企業の担当者が求めている企業のブランディング向上を図るための映像コンテンツ(ブランディング映像)のイメージを説明して、コンテンツ制作者からの企画提案を募るオリエンテーションを2月4日に東京都内で開く。
同社は、経済産業省からの委託事業の一環として、一般企業がコンテンツ制作者に資金を提供してブランディング映像の制作を目指す取り組みを展開している。
オリエンテーションでは、コンテンツ制作者にブランディング映像の制作を依頼したいと考えている複数の企業の担当者が、自社の理念や事業内容、抱えている課題などについて説明。その上で、映像に対してどのような効果を期待し、制作してもらった映像をどのように活用していくつもりなのかなどをプレゼンテーションする。
ブランディング映像制作に興味を持つコンテンツ制作者だけでなく、コンテンツ業界以外の新たなパートナーとの映像制作や、そうした企業からの資金調達について関心のあるプロデューサー、クリエイターらの参加を募る。参加費は無料。
なお、オリエンテーションへの参加にあたっては、別途実施しているコンテンツ制作者エントリーが必須となっている。
【日時】2月4日/14-17時
【会場】東京都内(非公開/制作者エントリー後に知らせる)
【参加企業】全国各地の企業5-10社程度
【申し込み・詳細】producerhub.net/information/event/190204.html


●発足記念シンポジウム開催 KADOKAWA会長、本木克英監督が登壇/稲門 映像人・文化人ネットワーク

稲門 映像人・文化人ネットワークは、2月1日に発足するにあたり、これを記念した「第1回シンポジウム-変化する時代におけるコンテンツの重要性」を2月13日に開催する(10面に詳細)。
登壇者は、KADOKAWA取締役会長 角川歴彦氏および、映画監督の本木克英氏。聞き手は、早稲田大学 坪内博士記念演劇博物館館長の岡室美奈子教授が務める。参加費は無料。
稲門 映像人・文化人ネットワークは、「日本の映像・文化業界に新たな息吹を吹き込むため、若者たちに謙虚に向き合い、映像産業・文化産業の未来に向けた後押しをする」ことを目的にしている。2月1日に設立総会を開く。
【日時】2月13日/16-18時
【会場】早稲田大学国際会議場井深大・記念ホール(東京都新宿区西早稲田1-20-14)
【申し込み・詳細】wvcnet.jp
【申し込み締め切り】2月12日

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